リハビリテーションとはどんなもの?
リハビリテーションとは
リハビリテーションとは病気やケガなどで生じた障害を治すことではありません。残っている機能を開発して自立して生活できるようにサポートすることです。そのためには、失われた機能を回復したり全体的な身体能力を向上させたりするだけでなく、補装具や生活用具などの福祉用具を使用して生活しやすいように環境を改善することも大切です。
疾患ごとにリハビリの内容は異なりますが、どんな内容で患者さんをサポートしているのか脳血管疾患・運動器・呼吸器を例にして見ていきましょう。
脳血管疾患リハビリテーション
脳梗塞やくも膜下出血などの疾患や脊髄損傷や脳腫瘍などの手術後に行うリハビリです。病気の進行具合や手術後の様子などで変わってきますが、筋力増強訓練、言語訓練、接触嚥下訓練、日常生活動作練習、歩行や自転車エルゴメーターなどの有酸素運動などが主なリハビリ内容です。
特に、三大生活習慣病のひとつといわれている脳卒中は脳の血管が詰まったり破れたりすることで脳細胞が壊死してしまう疾患ですが、生じる障害は脳神経障害や運動障害、自律神経障害、と多種多様なのでまったく同じ状態の患者さんはいない、といっても過言ではありません。そのため、型通りのリハビリではなく一人ひとりに適したオーダーメイドのプログラムが必要です。
運動器リハビリテーション
骨折や四肢の切断手術、関節の変性疾患などの運動器疾患を対象としたリハビリのことです。筋力トレーニングや関節可動域運動、温熱・寒冷療法、日常生活動作練習、歩行、車いす移乗、トイレ動作などが主なリハビリ内容ですが、四肢の切断手術を行った場合は義肢や義足、補助具の使い方も練習します。
義肢を装着するためには、関節可動域を維持するリハビリを積極的に行わなければならず、食生活や体格の変化に合わせて義肢も調整しなければならないので定期的なチェックが欠かせません。
呼吸器リハビリテーション
肺炎や肺腫瘍、気管支喘息などの疾患や胃がんなどの手術後に行うリハビリのことです。日常生活動作練習や歩行、車いす移乗やトイレ動作など一般的なリハビリだけではなく、呼吸困難を軽減する呼吸法の練習や、息が苦しいときのリラクゼーション法、呼吸の介助や呼吸補助筋のマッサージなど、呼吸器疾患ならではのリハビリがあります。
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疾患ごとのリハビリのポイントを知りたいのであればこちらの書籍がおすすめです。新人看護師やベテラン看護師など経験を問わず、必ずおさえておきたいことが詳しく書かれているのでリハビリ病棟で働いている看護師にぜひ読んでもらいたい一冊です。