やりがいと残念に思うこと
やりがいを感じるのはこんなとき
「処置が少ないリハビリテーション病棟では看護師としてのやりがいが感じられないのでは?」と思う人もいるかもしれません。やりがいは仕事のモチベーションを上げるためにも重要なポイントです。リハビリテーション病棟で働くやりがいとは何か、考えてみましょう。
リハビリテーション病棟に入院している患者さんで在宅復帰が難しいのは、胃ろうで栄養摂取のまま自宅に帰る患者さんやオムツなどの排せつ介助が必要な患者さん、高次脳機能障害が重度の患者さんです。このような場合、在宅復帰を果たすためにはご家族の協力が必要不可欠なので、できるだけ病院に来てもらって食事や排せつなどの介護法を指導します。ただし、高齢のご家族は介護に慣れること自体が難しいので時間をかけてゆっくり指導することがポイントです。
もし、ご家族だけでの介護が難しければ訪問看護やヘルパー、デイサービスなどを利用することになりますが、その場合は介護保険認定と調整し、ケアマネジャーと相談しながらすすめていきます。病院内のスタッフだけではなく地域のスタッフとも協力体制を作っていかなければなりませんが、看護師がチームの中心となってそれらのスタッフと患者さんやご家族の橋渡しをします。そのため、チームの中心となって在宅復帰や退院後の生活に向けてサポートしていくことに大きなやりがいを感じている看護師も少なくありません。
また、リハビリテーション病棟には長期入院の患者さんがたくさんいるため、多くの時間を一緒に過ごすことで患者さんへの思い入れが強くなっていきます。しかし、中には在宅復帰や職場復帰が難しいと感じるケースもあります。その状態の患者さんがリハビリで機能を回復し、在宅復帰や社会復帰を果たしたときにリハビリテーション病棟で働く看護師として大きな達成感ややりがいを感じる人が多いです。
がっかりしてしまうのはこんなとき
逆にやりがいを失ったりがっかりすることもあります。たとえば、リハビリが進んで歩行できるようになった患者さんが、病棟や試験外泊中に転倒して骨折してしまった場合。今まで積み重ねてきたリハビリが振り出しに戻ってしまうため、モチベーションが下がりやりがいを失ってしまうことがあります。
リハビリは機能回復のために欠かせませんが、リスクも含んでいるので細心の注意を払いながらADL(食事や排せつ、入浴など日常生活で当たり前に行っている習慣的行動)を設定していかなければなりません。しかし、ADLの設定には病棟の経験や他の職種のスタッフとの連携が欠かせないため、リハビリテーション病棟での経験が少ない人にとっては難しいでしょう。